山東省の田舎に住むおばあちゃんが配信で人生変わった話
中国の田舎から動画配信している大多数は若い世代ですが、今回紹介するのは63歳の女性です。
『我是赵姐（わたしはジャオさん）』というアカウント名で配信しているのは63歳の赵兰英さんです。2017年に孫の世話をするため山東省の地方都市から田舎に戻ってきたようです。
小学校卒業レベルの学歴しかなく標準の中国語も話せない、方言がきつい田舎のおばあちゃんで、他の配信者のような目立った特技もありませんでした。
しかし突然に人生の転機が訪れます。
2017年4月に赵さんの息子がネット上に配信チャンネルを開設して、日常の食事や畑仕事の短い動画の投稿をスタートします。
昔ながらの日常的な農村の風景・料理・一匹のゴールデンレトリバーが映っているだけの動画がだったのですが、たった一年でネット上の動画配信サイトで百万人以上のフォロワーを獲得することになるのです。
動画のクオリティははっきりいって素人レベル。でも中国の人々にとっては懐かしい風景なんだとか。平凡な日常を送る63歳の女性に自分のおばあちゃんの姿を重ねる人が多いようです。
2019年1月までに600本の動画を投稿して、81万件のいいね！を獲得。フォロワー数は187万人を突破しています。
ここまでのエピソードはよくある話なのですが、ここからさらに急展開が待っています。
2018年の夏から秋にかけて投稿した動画がネット上で話題を集めることになります。畑に植えてあった果物を収穫する内容だったのですが、フォロワーたちから送ってほしい！という依頼が殺到。日を追うごとに依頼がやってくるのをみかねて、息子と一緒にネットショップを開設することにしました。
赵さんの旗振りのもとに、地元の村の果物を販売したところ1.8トンもの出荷量を記録。長年に渡って村の課題だった特産リンゴの販売ルートが一瞬にして全国に広がることになりました。
影響力が大きくなるにつれて赵さんはさらに別の方向に舵を切ります。なんと中国の他の貧しい地方の農産物の販売も開始したのです。
今や『我是赵姐』チャンネルでは地元のリンゴだけでなく、湖南省・山西省・江西省・貴州など比較的貧しい地方の農産品販売も開始し、中国各地の貧乏脱出請負人となっているのです。
動画の内容自体は決しておもしろい内容ではないのですが、その素朴さがネットユーザーの信頼と信用を獲得する要素だったのかもしれません。
世界中の人々がネット上のステマやしつこい広告ににうんざりしている時代に、売る気ゼロだったおばあちゃんに注文が殺到しているのはなんとも皮肉な話です。
皆様もよろしければ是非に。
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