ネパール発 冬虫夏草ハンターの群れを追った動画チャンネル『lajimbudha』
「ネパールで山登り」と聞くと入山料を払ってトレッキングする登山家、それをサポートするシェルパのことをまっさきに思い浮かべます。
でも実のところテントを担いで山に登るのは登山家だけではないようです。
今回紹介するYouTubeチャンネル『lajimbudha』では、ヒマラヤに暮らす羊飼いや村の人々の生活を投稿しています。
チャンネル登録者数は18万人(2019年6月現在)チャンネル開設は2012年にさかのぼりますが、今に続くスタイルの動画投稿は2016年ごろからスタートしています。
類似のテーマを扱った動画はほかにもたくさんあるのですが、思わず目を奪われたのがこちらの映像。
大きなリュックを担いだ人々が通行証を見せてある場所に入っていきます。いわゆる関所の様子です。
説明によるとこの通行証は一人当たり1000ルピー(日本円で1000円相当)。この通行証がなければ先には行けないシステムです。
さてこの通行証を持って人々が入っていた先がこちら。
山の中にできた人の群れがスピーカーから発せれれる号令と共に一斉に走り出します。まるで一年に一度の祭りが始まったかのような盛り上がりです。
この人々は山の中でいったい何をしているのでしょうか?
これはネパール語で yarshagumba(いわゆる冬虫夏草)を探す人々の群れなのです。
毎年5月ごろから冬虫夏草の収穫(掘り当てる)が解禁されるようで、大勢の人々がその時期に合わせて山に入っていくそうです。
冬虫夏草といえば中国では貴重な漢方として珍重されています。この映像のネパール人たちも中国に輸出するために冬虫夏草を探し求めています。
それにしても漢方の収穫のためにこんな大きなリュックサックを担いでいく必要があるのだろうか。
そんな疑問に答えてくれるのがこちらの動画。
見よ、このテントの数を!
そしてこの過酷な天候!
エベレスト登山隊の装備からは劣るものの、ある程度の装備がなければ命にかかわる過酷な環境です。
テントの中にストーブを持ち込む人もいれば、かろうじて風雪をしのいで薪を燃やす人までさまざまです。そもそもテントがブルーシートの薄さですけどね。。
なぜこんな過酷な環境に人々が押し寄せるのでしょうか?
実はこの冬虫夏草は別名ヒマラヤのバイアグラと呼ばれているそうで。キロ単価で25000ドル(日本円で約27万円)の価値があります。
それで毎年春の時期になると、冬虫夏草ゴールドラッシュがやってくるのです。
ネパールの山奥で一攫千金を夢見て繰り広げられるタフな生活。
決してテレビでは見ることのできない人々の姿です。
皆様もよろしければ是非に。