コロナ流行で新たに生まれたVlogジャンル『クアランティン・ルーティン』とは何か
日本でもVlogが定着していくにつれて「モーニング・ルーティン/ナイト・ルーティン」という言葉が広く知られるようになっています。
簡単におさらいすると、このVlogジャンルでは配信者の朝or夜の決まった習慣を紹介します。何時に起きて、朝食に何を食べるとか、スキンケアやストレッチなどなど。
ありふれた風景に自分らしい習慣を加えることで視聴者の憧れや注目を集めています。
週中と週末、春夏秋冬と四季の移り変わりやライフテージの変化で人の習慣は変わるので、一人の配信者が幾つものルーティン動画を公開することもあります。
最近では芸能人のルーティン風景がYouTubeだけでなく一般のバラエティ番組でも取り上げられるようになっています。
このルーティン動画に近頃大きな変化が起きていることをご存知でしょうか。
実は英語で公開されているVlogに新たなジャンルが生まれつつあります。
それが『クアランティン・ルーティン』なのです。
英語のクアランティン(quarantine)は検疫・隔離を意味する名詞です。
試しに#quarantineで各種SNSを検索してみると、コロナウイルスの影響による自粛に関する情報が山のように出てきます。
クアランティン+ルーティン。日本語にすると『巣ごもりルーティン』と言えるかもしれません。
2020年3月中旬ごろから「morning routine in quarantine」「my online school morning routine (in quarantine) 」などの動画が頻繁に見られるようになり、3月末から4月の間に「quarantine routine」というワードが定着していったようです。
2020年5月現在、このジャンルで最も多い再生回数の動画はこちらです。
Jannat Zubair Rahmaniさんは若干18歳。インドで俳優として活動しています。
こちらは4月2日に公開されて以来、900万回再生されている動画。彼女が朝起きてベッドを整えてチェスやUNOで遊ぶ様子、その他にも料理風景が紹介されています。
ヒンディー語と英語が9:1の割合なので実際の会話の内容はわかりませんが、ファンにとっては楽しい動画なのでしょう。
Kayla KosugaさんはYouTuberとしてボーイフレンドとの暮らしを発信しています。
自粛生活で普段よりも時間があることを活用してセルフケアやワークアウトに時間を割く生活を紹介しています。
毎日7時に起きて生産性の高い暮らし。本当にやってたらすごいですね。
大学生YouTuberのMaskitMatiさんが紹介するのはオンラインスクール・ルーティン。
コロナ流行の影響で自宅でクラスを受講する暮らしを紹介しています。
ホワイトボードには7時起床からのワークアウトや勉強の予定がビッシリ書かれています。
やはりこちらもプロダクティブ、生産性の高い暮らしがテーマのようです。
ちょっと意識高すぎて気が引けますが、視聴者からのこんなコメントが寄せられていました。
自粛期間中に生産性が低くても大丈夫。あなたは無価値でも失敗者でもない。ベストを尽くしている!
これに1,483イイねが付いている時点で視聴者も「こんなの無理じゃん」と思っていることが伝わってきます。
英語圏のYouTuber/Vloggerは総じてポジティブで生産性の高い自粛生活を発信しているようです。
動画のテイストからはポップな自己啓発のような雰囲気も感じます。(そもそもルーティング動画にはそのような効果もあるような…)
コロナ流行の収束が見えないこと。そして流行の第二波、第三波が本当に来るとすればこのVlogジャンルが定番化していくかもしれません。
今後『クアランティン・ルーティン』がアジア圏でどのように発展していくのか要注目です。