韓国人YouTuber界を揺るがす「裏広告」問題
8月に入ってから韓国人YouTuberが謝罪と釈明に追われる事態が続いています。
いわゆるインターネットセレブリティと呼ばれる人たちにとどまらず、モッパン動画製作者やVloggerにまで影響が及んでいます。
スポーツソウルの記事で大まかな流れが報道されています。
日本でも数年前に芸能人によるステマ問題が話題となりましたが、なぜこのタイミングで韓国でこのような騒ぎになっているのか。
韓国の『THE PR』に掲載された内容が参考になります。
ざっくりと読んでみて理解できたのは韓国公正取引委員会がネット上のステルスマーケティングや不正広告の規制を本格的にスタートさせるということです。
特に槍玉に挙がっているのがInstagramとYouTubeの2大プラットフォーム。
2020年9月1日より広告費として対価を得ていたりスポンサーから商品の提供を受けている場合には必ず明記することが義務付けられるそうです。
YouTubeに限って言えば、動画の最初・途中・もしくは最後に広告が含まれることをはっきり明示すること。スポンサーから提供された商品をレビューする際は、5分おきにそのことを画面上に表示させることなどが盛り込まれています。
本質的な問題はYouTube動画における「プロダクト・プレイスメント」の是非です。
視聴者が見ているものが純粋なコンテンツなのか、そこに登場しているヒト・モノ・コトが実は企業から提供されているのか。その区別を明確にしなければ視聴者/消費者にとっては不正広告にあたるのではないか?という論点なのでしょう。
確かにあからさまな「裏広告」「ステマ」「プロダクト・プレイスメント」は規制の対象となって然るべきでしょう。
しかし動画の概要欄に「広告を含みます」「〇〇から商品提供を受けています」と明記している配信者たちには同情してしまいます。
onukさんやHamzyさんの謝罪文からすると、ネット上では過去の動画に登場したあらゆる商品が「裏広告」ではないか?と疑われているようです。
YouTubeで収入を得ている全ての配信者が自分のこれまでの動画をチェックして広告表記を見直さざるを得ない状況になっていると思われます。
特定の過去動画が削除されたりチャンネル閉鎖に追い込まれる配信者も出てくるでしょう。
公正取引委員会による規制や「裏広告」問題が、今後のモッパンやVloggerの編集スタイルに影響があることは間違いありません。
これから1ヶ月間の動きに注目していきましょう。
参考記事:
onukさんがYouTubeコミュニティで公開した謝罪文と声明(2020/08/08)
HamzyさんがYouTubeコミュニティで公開した謝罪文と声明(2020/08/08)