ガラパゴスの蛙

ネットに漂うあれこれ

気になる未公開ドキュメンタリー映画(2018/12/30)

2018年に英語圏で話題になったドキュメンタリー作品の中で、気になったものをまとめてみました。

 

日本公開未定の映画もありますが、予告編だけでも十分楽しめるものばかりです。

 

Googleで"documentary movie 2018"と検索して複数のサイトでランクインしている映画の中から、面白そうなものをピックアップしています。

 

1.Minding the Gap 

 

舞台はイリノイ州ロックフォード。主人公3人のティーンエージャーです。スケボーだけが不安定な家庭環境と近づく成年期から逃げる手段。しかし予期しない変化が3人の関係を脅かすことになっていく。

 

青春ドキュメンタリーが浮かび上がらせるのは強権的な父親による児童虐待です。

 

3人の若者が”大人にならざるを得ない”残酷な時の流れと、スケボーで颯爽と走る姿が印象的な予告編です。

Huluで公開されています。

 

2. Bisbee '17

アリゾナ州ビズビーは今でこそ地方の無名な町にすぎませんが、20世紀には銅鉱山で富を築いた土地でした。

その一方でこの街はは1917年に起きた忌まわしい事件でもその名を知られています。

 

1917年7月12日。地元の保安官と駆り立てられた2000人の男たちがドイツ系とメキシコ系の労働移民を無理やりニューメキシコの砂漠に追放したのでした。

 

物語は緊迫感あふれる再現ドラマと当事者のインタビューで構成されています。

 

100年前の忌まわしい事件は、単なる歴史の一ページではなく、今まさにアメリカで進行している移民・人種・権力の問題に重なってきます。

 

3. Matangi/Maya/M.I.A.

スリランカ出身/英国籍のラッパー M.I.Aのバイオグラフィー。22年に渡る彼女の姿を追った映像作品です。

スターとしての名声を勝ち取っていく一方で、コントロバーシアルなミュージックビデオと活動が世界に論争を巻き起こしていく。

 

タミル人難民の少女がポップスターにのし上がっていく様子は清々しいとともに、世界と闘う姿はさながら女戦士。

 

どこぞのハーフタレントが政治的発言で袋叩きにあっている年末ですが、その10倍、100倍も政治的でかつ実際に世界を変えているM.I.A.はマジですごいです。

 

4. Kusama - Infinity

 

「この芸術家を見よ!」

 

まるでそう訴えてくるかのような予告編。草間彌生さんのドキュメンタリーフィルムです。

 

病を芸術に変え、世間と闘い、闘い続けた果てに世界に評価されるようになった草間さんを追った作品。

 

これまでに日本のテレビ局も密着番組を制作していますが、海外からの視点で彼女の人生をトレースすると新たな視点が得られそうです。

 

5. ナディアの誓い - On Her Shoulders (原題:On Her Shoulders)

 

2018年ノーベル平和賞受賞者 ナディア・ムラドの姿を追った映画。

 

ISに家族を皆殺しにされ売買されたヤジディー教徒の女性たち。

サバイバーの23歳の女性の肩にその全てを背負い、語り部になるなんて、本当に重責ですね。

 

この現実に目をそらすべきではない。

 

彼女を支えるアマル・クルーニーの働きも本当に素晴らしい。

 

この伝記の前書きにもアマル・クルーニーは寄稿しています。

 

表紙のナディアのネックレスはヤジディー教のクジャクのシンボルにも見えます。

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