気になるインド映画「Gully Boy」ムンバイのスラム出身ラッパーの物語
せっかくSpotifyに課金してるんだからたまにはインド音楽でも聞きたいなーと、インドのヒットチャートを調べていたら見つけてしまいました。
奥さん、ムンバイのスラムから成りあがるラッパーの物語ですって!
面白くないわけがないじゃないですか。
ラッパーの映画と言えばエミネム主演の名作「8mile」や、メンフィスのドラッグディーラーにしてピンプの男が主役の「ハッスル&フロウ」などが思い出されます。
でもインドですよ。ラストベルトの衰退ぶりとはわけが違う。
文化的・宗教的・言語的な多様性を考えると相当面白くなっているに違いない。
そんな直観のもとに、映画「Gully Boy」について色々と調べてみました。
作品情報
Gully Boy (インド公開 2019年2月14日 上映時間:2時33分 言語:ヒンディー語)
監督:Zoya Akhtar
1972年 ムンバイ生まれの女性映画監督。詩人の父と脚本家の母の間に生まれ、弟も映画監督俳優として活躍する才能に恵まれた家庭に生まれ育つ。祖母はウルドゥー語の著名な詩人。
ニューヨーク大学で映画製作を学んだ後、ミュージックビデオの制作などを経て今に至ります。
監督作を見ると、2019年には本作だけでなくNetflixやAmazonプライム限定映画も制作しているようです。
主演俳優:Ranveer Singh
1985年 ムンバイ生まれの俳優。子どものころから俳優になることが夢だったようです。
しかし大学時代は作家としての創作活動に励んでいたそう。アートの学位を取ってインドに帰国したのち、2010年からオーディションを受けるようになり俳優としての活動をスタートさせました。
映画だけでなくCMにも出演しています。
主演女優:Alia Bhatt
1993年生まれ インド系イギリス人の女優。インド映画界で最もギャラの高いアクターの一人。2014年にはフォーブス・インディアのセレブリティ100人にノミネート。2017年のフォーブス・アジアではアンダー30に名前が挙げられています。
映画監督の父と女優の母を持ち、1999年から子役として活躍していたそうです。2012年のティーン向けドラマ「Student of the Year」で初主演。
自身のファッションブランドを立ち上げ、歌手としても積極的に活動。
正真正銘のスーパースターです。
あらすじ
主人公はムンバイのゲットー出身の22歳のムスリムの若者。ラップへの情熱、恋愛、そして夢を追いかける姿が描かれます。
大学生のムラドは人口密度の高いムンバイのスラムで暮らしています。
ガールフレンドのサフィーナは医学生。極端に宗教面で保守的な家庭に育った背景を持っています。
普通の仕事をして伝統的な生活を送るように、また身分の合わないサフィーナと別れるよう願う父に反抗するムラド。
暴力事件やドラッグディーラー、自動車泥棒に巻き込まれながらも、フリースタイルバトルで勝ち上がり、ラッパーとして名を挙げるお話です。
注目ポイント
とにかく、予告編でのヒンディー語ラップの熱量が半端ないです。
Spotifyには既にサントラのプレイリストもあります。
そして主人公のカップルがムスリムという設定も個人的にはグッときます。
英語で本作のレビューを調べるとすこぶる高評価。期待できます。
インド版GQには映画の主人公同様にムンバイ出身のラッパーのインタビューも掲載されています。
日本ではフリースタイルダンジョンの影響力は絶大ですが、世界各地で今やメインストリームになったヒップホップとラップミュージックが、どのように土着化していくのかを体感するうえでも重要な映画となりそうです。
本邦公開のあかつきには、アト6宇多丸師匠のレビュー・いとうせいこうさんのパンフレット解説は間違いないでしょ!
皆様もよろしければ是非に。
≪追記≫
Vice Asiaがムンバイのラップシーンについて、30分のドキュメンタリーを公開しています。映画の背景を知るうえで役に立ちそうです。
っていうかVice、控えめに言ってもいい仕事しすぎ!
ユリイカ 2018年6月号 特集=『バーフバリ』の世界 ―インド映画と神話の豊穣―
- 作者: S・S・ラージャマウリ,松岡環,江戸木純,金田淳子,藤村シシン
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2018/05/28
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (1件) を見る