ビクトリア朝 屋敷での生活を再現する動画チャンネル『イングリッシュ・ヘリテッジ』
世界中のYouTubeチャンネルが趣向を凝らした動画を投稿していますが、今回紹介する『イングリッシュ・ヘリテッジ』チャンネルのアイデアは秀逸です。
『イングリッシュ・ヘリテッジ』はイングランドに点在する400以上の歴史的建造物を保全する、英国政府によって設立された組織です。単に保全するだけではなく、見学・宿泊・結婚式など手広く活動しています。
この団体のYouTubeチャンネルがこちら。
メークアップ動画、料理動画、歴史的な建造物の紹介など興味深いコンテンツがもりだくさんですが、とりわけ面白いのが『The Victorian Way』というシリーズです。
ビクトリア朝のイングランドのある屋敷で料理長を務める女性 ミセス・クロコンブが料理を作る様子を紹介しています。
この動画が面白いのは出演者が完全に当時の人々を演じているところです。料理長・庭師長・下っ端の庭師など、19世紀ビクトリア朝で屋敷に住み込みで働く人々の人間関係が垣間見えます。
良く調べてみるとこの動画の舞台になっているオードリー・エンド・ハウスは実在する17世紀の建物で、イングリッシュ・ヘリテッジが管理している施設です。
驚いたのはミセス・クロコンブも実在の人物だそうで。1880年代にオードリー・エンド・ハウスで召使として働いていたと言われています。動画の中で披露されている料理はミセス・クロコンブ直筆のレシピに基づいて作られています。
そして彼女の仕事場である美しいキッチンはセットではなく屋敷の中に今でも大切に保存されています。
このキッチンは見学だけでなく、実際にお料理イベントも開催されていて、当時のレシピをもとに家族で料理体験もできるようです
文化財保存と聞くとお堅いイメージが付きまといますが、YouTube・実在の人物・実在の建造物をミックスして魅力的なコンテンツを制作できる良い事例ではないでしょうか。
ネット上にはお料理動画が山ほどありますが、時間軸を現代からずらして数十年前・数百年前のレシピを再現するというアイデアも参考になります。
ちなみにイングリッシュ・ヘリテッジの動画には日本語字幕が付いているものもあります。
いつも紹介しているVlogとはジャンルが違いますが、アイデアや演出も含めてとても面白いチャンネルです。
皆様もよろしければ是非に。