ネパールの山奥より 村人のリアルな生活を映す動画チャンネル『NepaliVillage』
これまでYouTubeで「ヴィレッジフード」と検索すると、南インド在住の配信者が大量にヒットしていましたが、遂に他の地域からも同じような配信が登場しました。
チャンネル名は『NepaliVillage』。ネパールから田舎の生活を発信しています。
インドもネパール大して変わらないんじゃないの?と思いましたがそんな心配は杞憂でした。
南インドの配信者は時間がたつとともに洗練されてきていますが、こちらのチャンネルでうつしだされている人々の姿はあまりにも自然。語弊を恐れずに言えば、創意工夫はほとんどないに等しいのです。
服装や家の中はお世辞にも綺麗とは言い難い。でも観光旅行でネパールを訪れても決して簡単には入り込めないプライベートな生活空間を覗いている気分になります。
様々な村の風景が登場しますが、主に目立っているのは「料理」ではなく「料理を食べている人々」です。
銀色の食器にのった白米とおかずを右手で器用に口に運ぶ。きっと数百年にわたって人々が営んできた食事の風景なのでしょう。でも真ん中にスプライトやマウンテンデューの1.5リットルが鎮座しているのは何とも現代的です。
地べたに座って家族で会話をしているようですが、字幕も翻訳もなにも付いていないので見ている側は想像するしかありません。
別の動画では村のお祭りで踊る女性たちの姿が登場します。
ここでウィキペディアでネパールの祭りを調べてみたのですが、そもそも村人が仏教徒orヒンズー教徒でも使う暦が違ってくるようで祭りの特定には至りませんでした。
でも楽しそうに踊っている人々と、それを見守る暇そうな人々の対比を含めてとても興味深い映像です。
こちらの動画では村の結婚式でふるまわれた料理が登場します。
日頃の食事と違ってとっておきの肉や食材が登場するのかな?と思いきや、門外漢からすると彼らの普通の食事とほぼ同じ。同時に食事している人数が若干多いぐらいの違いしか気づきませんが、きっとネパールの方からすると明らかに特別な料理なのでしょう。
動画の画質の低さやカット数が少ないことは、本来は配信者にとってハンデになるのでしょうが、ここまで動画チャンネルが乱立していると、逆に奇抜さを狙わない素朴な田舎配信に心惹かれるものがあります。
情報過多なテレビやYouTuberの動画を見ることに慣れている方にとっては、ほぼ何も説明されずにネパール人の生活を見ることはつまらないかもしれません。
しかしここは時間を取って「自分が全く理解できない言語」を話す人々の生活に思いをはせてみるのはいかがでしょうか。説明されないぶん、想像力で空白を埋めるのも楽しいものです。
注目できるのは、一つ一つの動画タイトルによく登場する「Primitive technology」という言葉です。勘の良い方ならお気づきの通りこの単語はカンボジア発の田舎動画でよく見かけます。
おそらくこの撮影者は南インドや東南アジアの配信者がやっていることをマネする形から入ったと思われます。
もちろんそこを叩くのは野暮な話。
今後このチャンネルを見ていく上での裏テーマとして、どのタイミングでスマホが食事の風景に登場するのかも注目していくと面白いかもしれません。今のところほとんど電子機器が彼らの生活に登場したことがないのです。(もしかすると演出としてスマホに触れないようにしているのかも)
何はともあれ、皆様もご興味があれば是非に。
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