湖南省在住 コピーライターから田舎生活に転身した男性の動画チャンネル『伍阿哥』
中国の田舎動画を定点観測していると、このジャンルには二つの系統があるとわかってきました。
一つは李子柒や滇西小哥に代表される構図や編集の美しさを追求したもの。もう一つは三农视频と呼ばれている飾り気のない農村の日常をうつしたものです。
このうち前者の美しさを追求した動画は、圧倒的に女性の配信者が多数を占めています。
そんな中でもセンスが光る男性の動画チャンネルを発見したので紹介します。
この男性は『伍阿哥(ウー・アー・グー)』というチャンネル名で農村生活と手作りの料理を発信しています。
彼の本名は伍贤锋(ウー・シエン・フォン)。もともとは深センでコピーライターの仕事に携わっていたそうです。
しかし2017年に月給13000元(日本円で約20万円)の仕事を退職。81歳になる祖母の世話のために湖南省の田舎に帰ります。
田舎ならではの時間の流れ方を逆手にとって、彼は畑仕事や家畜の世話に関する技術を学びはじめます。そして農村生活をテーマにした短い動画の撮影をスタートすることになります。
2018年3月 伍阿哥はネット上に最初の動画を投稿します。その動画の中では田んぼでドジョウやタウナギを捕まえて、それを祖母と一緒に調理する様子を撮影しているそうで。(この動画探してみましたが見つかりませんでした)
驚くべきことに投稿してすぐにアクセス数が10万越え。予想もしなかった人気ぶりに一念発起して、動画の題材探しに力を入れはじめます。
現在ではもっと動画の題材を掘り起こすために、カメラを担いで山や田畑を歩き回っているそうです。
朝起きて畑。昼間は撮影と編集。夕方に再び畑に出かけていくというライフスタイルをしばらく続けます。
そして動画投稿から5か月後には100万人に及ぶチャンネル登録数を獲得。名実ともにネット上のインフルエンサーとしての立場を確立します。
でも彼がほかの配信者と違っているのは、動画投稿の目的がお金儲けではないというところなんです。動画の中にも広告は含まれていないようで、あくまでも趣味としてのスタンスを崩していません。
なんてもったいない!と思わなくもありませんが、それも田舎配信の一つのあり方なのでしょう。
美しい田舎の景色と、笠をかぶって素顔をあまり見せようとしない姿も動画の魅力を引き立てています。
そして何よりも彼のつくる料理がなんともうまそう。純粋に料理動画としても十分楽しめるのです。
YouTubeチャンネルは2019年5月の時点で登録数が10万人ですが、これからまだまだ伸びていく予感がしています。
皆様もよろしければ是非に。