ガラパゴスの蛙

ネットに漂うあれこれ

重慶発 母親と高校中退した息子が二人で始めた動画チャンネル『渝乡桃子』

今回は2018年10月頃に中国でバズった動画チャンネル『渝乡桃子(ユーシャン・タオズ)』を紹介します。

 

www.youtube.com

 

主な登場人物は重慶に暮らす母と息子。母親が料理を担当。息子は主に撮影を担当していますが、彼の料理スキルもなかなかのレベルです。

 

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半年あまりの期間で37万人のチャンネル登録を獲得。2018年6月からは広告収入が毎月数万元(数十万円)発生するほどの人気動画となっています。

 

 

母親は47歳になる范兰琼(ファン・ラン・チオン)息子はまだ22歳の胡涛(フータオ)です。母と父はずっと地元を離れて仕事についていたようです。息子は高校を中退して上海のレストランで働いていました。

 

 

ある日、仕事の合間に胡涛さんはネット上で旅行動画を配信するユーザーと知り合いなります。その影響を受けて「搞机桃子」というアカウントでスマホ関連の記事を書き始めることにします。

 

 

しかしフォロワーは数か月たっても5000人ほど。その後はフライパンを買ってきて寝室で料理を作ったり、奇抜なことをやってみますが注目されませんでした。

 

 

2017年7月、母親の范兰琼が右足をけがして地元に帰ってきたことが大きなターニングポイントになります。母親が帰ったのならば自分も帰らなければ!と即決で息子も同じ年の11月に上海での仕事を退職します。

 

 

ちょうどその頃には中国のネット界では農村田舎配信が注目され始め、多くの収益を上げている配信者が話題になっていました。それで地元の農業・景色・特産品を紹介する動画を作ることにします。

 

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初めの頃は范兰琼さんは胡涛がスマホで動画を撮り始めたのを見て遊んでいるようにしか見えなかったそうです。それでも胡涛はあきらめず、母親が畑仕事や料理をしている動画を撮り続けます。

 

 

范兰琼さんににとって想定外だったのは、自分の料理をしている姿がネット上で多くの支持を得たことでした。特に麻婆豆腐を作っている動画はあっという間に祭司回数が192万回に到達。フォロワーもうなぎ上りに増え、あっという間に1万人を超えてしまいます。

 

 

范兰琼さんは一家の長女で7歳の頃から料理を作り始めたそうです。大きくなってからも料理の技術をずっと磨いてきたことが動画の成功と大きく関係しています。

 

 

人気が急上昇していくのを見て、この親子は遂に1万元をはたいてパソコンとカメラを購入。

 

 

手作り料理のを次々に投稿していくと、登録者はあっという間に10万人に近づきます。

 

 

フォロワーが増えるにつれて、今度はSNSを通して調味料や特産品を購入したい!という要望がやってくるようになります。

 

 

それで自家製のザーサイや漬物を販売したところ、完売。こうしてビジネスがいとも簡単に成立してしまったのです。

 

 

最近では母・息子のほかにガールフレンド 小蒋(シャオジャン)さんも動画に登場しています。彼女とはDMのやり取りで交際がスタートしたいきさつがあるそうです。胡涛の家にやってきては、一緒に料理の技術を学んでいます。

 

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元々、范兰琼さんは電話をかける以外はほとんど形態を触ることがなかったそうですが、今や包丁・農機具・携帯電話が手から離れない生活を送っています。

 

 

フォロワー数の増減や閲覧数。さらにはコメント欄にまで目を通して良い提案や池にかを眺めています。

 

 

今のところネット販売で得られる収入はそれほど安定していないようですが、軌道に乗ったらご近所と協力して畑を大きくする計画もあるようです。

 

 

これだけ田舎配信が増えている中国において、もちろん単なるお料理動画だけで勝ち目はありません。

 

 

『渝乡桃子』チャンネルの成功は、動画に登場する家族の関係性も大きく関係しているのかもしれません。動画の本数が増えるにつれて、それぞれの家族のキャラクターにも感情移入できるようになって、ホームドラマを見ているような錯覚を視聴者にあたえているような気がしています。

 

 

果たしてこの家族のネットビジネスが成功するのか注目していきたいと思います。

 

 

皆様もよろしければ是非に。