フロリダの子どもたちを恐怖に陥れるピエロに迫った映画 『Wrinkles the Clown』
“恐怖のピエロ”で連想するキャラクターといえばペニーワイズやジョーカーなど。連続殺人犯ジョン・ゲイシーもピエロの扮装をしていたことでよく知られています。
本来なら人を笑わせることを生業にしているはずの道化師。それが人を襲うからこそトラウマ的な恐怖を与えるのでしょう。
最近では「道化恐怖症」という言葉も存在するとかしないとか。某ハンバーガーチェーン店のキャラクターにも影を感じてしまう私もこれに当てはまるのかも。
今回紹介する映画も“恐怖のピエロ”を題材にしたドキュメンタリー作品です。
タイトルは『Wrinkles the Clown』
シワシワのピエロ、しわくちゃのピエロと訳せばいいのかな。アメリカ公開が2019年10月4日なので邦題は付いていません。
この作品は実在する“恐怖のピエロ”の素顔に迫った作品です。もちろん誰かが死んだりするホラー映画ではありませんのでご安心を。
まずは予告編をどうぞ。
映画の舞台はフロリダ州ネープルズ。
この街には子どもたちを恐怖に陥れるピエロが潜んでいる。
ピエロの名刺にある電話番号に連絡すると彼はやってくるのだ!!!
一見するとホラー映画の様相なのですが実はこのピエロは、素行に問題がある子どもたちを脅すために親がお金を払って呼び寄せているんです。
つまり“プロ恐怖のピエロ”。
実際に子どもたちに危害を加えることはないのですが、しわくちゃのマスクにしわがれ声で話す姿はたしかに怖い。
予告編に登場するこのシーンは特にヤバいですよね。
眠っている子どものベッドの下からピエロが出てきたら。。
さらにSNSや動画サイトにアップされるピエロの目撃情報が相まって、「Wrinkles」はネット上で大きな反響を得ることになるのです。
このドキュメンタリー映画ではこれまで語られることのなかったピエロの素顔に迫ります。
少し調べてみると2015年11月にワシントン・ポストが彼の背景について記事にしていました。
「Wrinkles」は2015年当時65歳。本名を明らかにしていませんが、退役軍人で様々な職を転々としてきたと語っています。
退職を迎える前に妻と離婚。縁もゆかりもないフロリダ州に引っ越してきました。
自分と同世代の人々がゴルフやシャッフルボードで楽しんでいるのに全く興味なし。
しかし思いつきでピエロのマスクを購入し名刺とステッカーを製作。ステッカーに書いた自分の電話番号をばらまき始めたところから人生が大きく変わっていくのです。
こちらは2015年のニュース映像。彼が実際に話している様子も収録されています。
人生の終盤にある意味で子どもたちの人気者になれるなんていい人生じゃないですか。
ドキュメンタリー映画『Wrinkles the Clown』はMichael Beach Nicholsの監督作です。
IMDbによるとドキュメンタリー映画やTVシリーズを手掛けています。
ちなみにフロリダのピエロを映画化する企画は元々、2016年にKickstarterで別のヴィジュアルアーティストが資金集めを始めたのが始まりだったようです。
この時のクラウドファンディングは失敗に終わりましたが、紆余曲折があり2019年に映画公開となりました。
ここまで書いておいてなんですが、『Wrinkles the Clown』に強烈な既視感を覚えるのは私だけ??
どっかで見たことあるんだよなーと考えていたらこの映像を思い出しました。
#探偵ナイトスクープ#ガオーさん 夜に見たら誰でも怖い。 pic.twitter.com/X2MEak09dC
— takahashi inoue (@inoueTKC) March 30, 2018
ガオーさんも亜流の“恐怖のピエロ”じゃないのかという仮説。
『Wrinkles the Clown』の日本公開は全く未定ですが、どこかのサブスクリプションサービスなどで視聴できることを期待したいですね。