滇西小哥が絶滅危惧種のテナガザル保護団体を訪ねる(その2)
前回に引き続き、滇西小哥が雲南省の山奥で活動するテナガザル保護団体を訪ねる動画を紹介したいと思います。
前回は彼女が自分の家から保護基地まで向かうまでを紹介しました。
今回はいよいよテナガザルの生息地に足を踏み入れます。
一日目・猿を追う
もうすぐ午前6:00です。
外では大雨が降りました。
顔を洗って少し食べてから出発します。
解放靴(ミリタリーシューズ)に履き替えました。
分厚い靴下を履いています。
午前6:44です。
テナガザルが眠る木の下に到着しました。
わたしたちは日が昇るのを待って、テナガザルが起きるのを観察します。
午前7:08です。
もうすぐ明るくなります。
上にテナガザルがいます。
まだ日が明るくないのでよく見えません。
隊長「朝早くから猿を追うのは今日が最後です。今月は6日間にわたって猿を追っています。6日の間に猿たちは遠くまで来ました。わたしたちが国慶節で遠くに旅行に行くの似ています。これまで食べたことのないものを食べました。特に熟したカジノキの実やアケビを食べていました。先月はまだ熟していなかったのです。」
隊長「昨日、猿たちはキウイを食べました。そしてこの場所に戻って眠りました。今朝、大雨が降ったのであまり動こうとしません。葉っぱのある場所を探して雨をしのいでいます。小雨になるのを待つのです。そして食べるために動き始めす。今日は早朝に一度だけ食べました。それでわたしたちもここを離れることができます。」
小哥「彼は何をしているんですか?毛を梳いているんですかね。」
隊員「体を掻いているんですよ。蚊に刺されたみたいです。」
小哥「テナガザルはメスとオスどちらが大きいのですか?」
隊員「メスのほうが大きいです。見た感じ、オスのほうがガッシリしていますが。」
小哥「メスのほうが大きいんですね。」
小哥「今何を食べているんですか?」
隊員「虫の卵です。」
李さん、蔡さん、後ろに彭さん。みなさんがテナガザルを保護しています。
テナガザルの生活習慣に通じていて、視力も優れています。テナガザルが高い木の上にいても、はっきり見えています。
小哥「隊長は何を記録しているんですか?」
隊長「彼らの行動を5分に1回数値化しています。位置や行動です。もし何かを食べていたら、どんな植物、どれだけの時間食べていたのか、植物の食べ合わせなど記録します。」
小哥「もし猿たちが今朝何も食べていなかったら、何を記録するんですか?トイレなども記録するんですか?」
隊長「みんな記録します。」
小哥「わかりました。」
小哥「隊長、どうして猿は動かないんですか?」
隊長「あそこまで高く登って、食べるものがないか見ているんですよ。高いところにいるので、この辺一帯を見渡せるのです。そのような大小の範囲を食物斑块(フードパッチ)と呼んで管理しています。フードパッチの中でどこに熟した実があるのか探して、見つけるとそこに向かっていきます。」
小哥「動きが早いですね。」
隊長「そうですね。食べ物を見つけると走り出します。長年蓄積した行動記録によると、天行长臂猴は木の上で5分以上そこで食べていると、その木に利用価値があると考えているようです。食べあわせが良く、比較的熟していると長い時間食べています。」
小哥「もし猿が一本の木の上で5分以上いると、その木は食べられる木ということになるんですね」
小哥「蔡さん、もし皆さんの方法で計算すると猿は何歳ぐらいですか?」
蔡さん「私たちの方法で推測すると、30歳ぐらいです。二匹の男の子がいましたが既に離れていきました。三男は相手が見つからず、四男はすでに家族がいて、3,4歳の子どもがいます。」
猿が下に向かっていったので、わたしたちも続いて降りていきます。
みなさん真剣に猿の生活習慣を観察しています。
小哥「猿は何をしていますか?」
隊員「藪イチゴを食べています。」
小哥「まだ食べているんですね。」
隊員「そうです。」
小哥「普段食べる時はどれぐらいの時間食べているんですか?」
隊員「毎回違います。ある時は一時間。好みによります。」
小哥「気に入ったらずっと食べているんですね。」
隊員「そうですね。」
小哥「テナガザルは向こうにむかって動き始めました。向こうの山のキウイを食べています。」
戻る準備をはじめます。
テナガザルは別の場所に行ってしまいました。
棒を杖にして歩きます。靴が濡れてしまいました。
ここは本当に歩きづらいです。
今朝、大雨が降りましたが良かったのかもしれません。
雨が降ればテナガザルの活動範囲が狭くなるので、それほど移動する必要がありません。
この中がキャンプ地です。
靴とズボンが全部濡れてしまいました。
火のそばで乾かします。
湯気が出ているのが見えますか?
隊員「昨日、たくさん食べ物を背負ってきたでしょ?基地の人たちにとってはそれだけでもごちそうです。前回わたしが来た時によく食べたのは漬物・ベーコンなどで、新鮮な食べ物は特に少なかったです。ほとんどありませんでした。」
小哥「彭さん、今日は何を食べますか?」
彭さん「大根です。大根のスープ」
小哥「誰がご飯つくるんですか?」
彭さん「今日はわたしがつくります。」
小哥「普段からあなたがつくっているんですか?」
彭さん「交替でつくっています。今日はわたしの番です。」
小哥「今日が当番なんですね。じゃあ手伝いましょうか?」
彭さん「いいですよ。」
小哥「そしたら少し休めますよね?」
彭さん「ご飯は準備してあります。おかずをつくってもらえますか?」
小哥「いいですよ。あなたがご飯、わたしがおかずですね。じゃあ野菜を洗いにいきます。」
小哥「ここ2日、わたしの家ではトマトをずっと食べていました。おいしかったですよ。」
隊員「山の上では海抜が高いのでまだ熟していません。あれを見てください。赤くなるとリスが食べに来ます。」
今話していたのですが、この大根は山の水を使って煮たほうが本来の味を出せると思います。何も加える必要がありません。
そこに置いて加熱するんですね。
彭さんが包丁を研いでくれました。少し切りやすくなりました。
小哥「わたしの動画は見てくれていますか?」
蔡さん「見たことあります。」
小哥「動画の中のわたしと、実際のわたしのどちらがいいですか?」
蔡さん「動画も実物も違いはありませんよ。みんな農村の人々です。」
草果、醤油を加えます。漬物の塩分が強いので少しだけ塩を加えます。手で混ぜます。手は洗ったので大丈夫。
片栗粉が兄ので油を少し加えて混ぜます。
炒めるとやわらかくなります。
酸腌菜も持ってきました。
肉炒めと一緒に食べます。油を使って炒めます。
もうご飯食べれますよ!
ちょうど一皿ぶんです。
山の中で食べると香りがいいです。
蔡さん「こんなことわざがあります。家で青白小菜を食べ、山では山茅野草を食べる。山茅野草は煮ても2食分にしかなりません」
今ご飯を食べ終わりました。
靴・靴下・ズボンを火のそばで乾かしています。
全部濡れてしまいましたからね。
午後は天気の様子を見ながら、晴れれば研究員と一緒に山にある赤外線カメラと録音機を回収します。ずっと雨なら基地で火を焚いて休みます。
<書き起こし終わり>
次回は二日目・山巡りのパートから書き起こしたいと思います。