ガラパゴスの蛙

ネットに漂うあれこれ

李子柒のアシスタントがYouTubeへの違法アクセス疑惑に答える(2020/05/19)

中国大陸ではインターネットの接続に政府による制限・検閲が存在していることは多くの人に知られています。

特に政治的なトピックが拡散されかねないFacebookTwitterWikipedia、特定の海外メディアへのアクセスが遮断されています。また情勢の変化によって制限の対象は拡大されることもあります。この制限の対象に含まれているのが世界最大の動画サイトYouTubeです。

 

通称”壁越え”と呼ばれている各種VPNサービスを利用すれば海外サイトにアクセスできるのですが、最近では規制が厳しくなりVPNを提供する企業・利用するユーザーが共に違法行為として処罰されるケースが出始めています。

ここに敏感に反応しているのが中国内外のアンチ李子柒の人々です。

「某海外サイトで李子柒のチャンネル登録者数が1000万人を超えた」というニュースが駆け巡っているタイミングで、李子柒のYouTubeへの違法アクセス疑惑が持ち上がっているのです。

この疑惑に李子柒のアシスタント 民国(ミングオ)が答えるコメントを投稿しました。

2019年5月19日、微博の她助理アカウントでの投稿です。

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一日中あちこちで七姐(李子柒)が壁越えしていると噂をしている人たちは、もうすこし勉強してからキーボードで遊ぶことはできないのですか?インタビューでも数え切れないほど言いましたし、会社も何度も回答しています!メディアも何度も書いています!老七の動画は海外の代理機関によって運営されています。最初のころ海外プラットフォームには本人を装ってお金を稼ぐ人が多すぎたのです!それで彼女は自分が中国人であり、動画は正式に海外の代理機関により運営されていると発表したのです。主な目的は海賊版を一掃するためです!本当に鼻持ちならない人々です!

最後の一言に「酸死了」とありますが、これには鼻持ちならない・嫌らしいという意味があるそうです。この言葉にかけてまだ青く酸っぱいブドウの写真を添付しています。 

一般フォロワーからは「そんな奴らを相手にするな」「会社が手順を踏んで壁超えしているなら問題ない」「李子柒の壁越えが違法なら私はどうなる?」などのリプライが寄せられています。

民国のコメントにもあるように、李子柒のYouTubeへの投稿は一応は法的に問題のない仕方で行われているようです。

実際YouTubeには滇西小哥を始めとする数多くの人気配信者が「官方频道(公式チャンネル)」を開設しています。事実上、中国国内で禁止されているサイトで本人と紐付いた活動を行っているわけですから、それなりに法的な問題はクリアしているのでしょう。もちろんその中には依然としてVPNを介して活動している配信者も存在しているはずですが、一般視聴者からは判断のしようがないのが現状です。

もちろんネットインフルエンサーが堂々と海外サイトで活動する反面、一般ユーザーが壁越えすると監視や処罰の対象となるとすれば不満を感じるのも理解できます。

とはいえネット上で論争を蒸し返したり粘着する人々に李子柒と民国が苛立ちを感じるのは当然のことでしょう。

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