広西省の農村から 動画配信で大成功した『巧妇9妹』
当ブログでは中国の農村から動画配信する人々を紹介していますが、 そもそも彼ら・彼女たちは動画配信で一体どれぐらい稼げているのか?という疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
YouTuberは再生回数に応じて広告料を得られるわけですが、肝心のYouTubeが中国大陸ではブロックされているわけで。
YouTubeの広告収入以外にマネタイズする方法はあるのだろうか?という疑問が湧いてきます。
その収入源の謎に迫ることができる動画チャンネルを見つけました。
その名も『巧妇9妹(チャオフー・ジョウメイ)』
「巧妇」とは中国語で能力がある賢い既婚女性を意味しているようです。「9妹」の由来は兄妹の中で9番目だったからという簡単な理由。
彼女が動画配信でどのようにマネタイズしているのかを解説している記事を見つけました。
中国の広西省在住の巧妇9妹。彼女がこの名前で活動を始めるまではとても普通の生活を送っていたそうです。他の村の若者たちと同じく、中学校を卒業しないままに広東省に出稼ぎに行きます。そして食事付きの条件で、電子工場で給料の無い仕事を始めます。
その後、労働者のための食堂で朝食を作る仕事を始めます。毎月のお給料はたったの200元(日本円で3100円ぐらい)でした。
そんな生活を十数年続けて、2014年に彼女は広西省の故郷に戻ってきます。普通の主婦として、農業に励み、家族の世話をするという日常を送っていました。
しかし彼女の料理のスキルが後に人生を大きく変えることになります。
彼女の人生を変えるきっかけとなるのが甥の張陽城です。動画制作の経験が豊富で、自分の友人たちが動画配信で一旗揚げているのを見たことが転機となります。
甥っ子が9妹の料理で一発当ててやろう!と考えたことがきっかけで『巧妇9妹』が誕生します。
親族の協力のもと、2017年5月19日に最初の動画をネット上に投稿します。この時の内容は9妹がキッチンで肉蛋挞(中国風肉のタルト)を作るものでした。
ここから快進撃が始まります。
お料理動画や農村生活の配信にとどまらず、地元特産の果物を配信上で販売し始めたのです。
そもそも彼女は自分の畑にたくさん果物を育てていたそうで、それを地元の農産品と合わせて売り出したらこれが大当たり。
あるひと月にネット販売で得た売上は150万元(約2400万円)。最高売上は200万元(約31700円)。それに加えて中国のポータルサイト今日头条と西瓜视频との契約で得られる収入が毎月50万元(約790万元)。
動画配信で農産物を直売するチャンネルの中では抜きんでて収益を上げています。
9妹さんがこの動画配信を続けるモチベーションは二つあるそうで、一つはフォロワーに対して誠実でありたいということ。もう一つは村の人々の生活を良くしたい。都会に出なくてもお金を稼げるようにして、子どもたちや年配者を世話できるビジネスモデルを確立したいという思いがあるようです。
優良コンテンツと消費者のニーズがマッチした時に莫大な利益が生まれるのは世の常ですが、ここまで成功した動画配信はなかなか例がないのではないでしょうか。
YouTubeで注目されている李子柒や滇西小哥に比べると、動画編集のスキルはそれほど高くないのが正直な感想です。
でも中国大陸の中だけでビジネスが完結しているのに、これだけの収益を上げているという点では『巧妇9妹』に軍配が上がりそうです。
皆様もよろしければ是非に。
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