ガラパゴスの蛙

ネットに漂うあれこれ

広西省から 低身長症の男性の田舎暮らし配信『小六搞野』

中国の田舎配信者の中には様々な背景のある人々が登場しますが、今回紹介するのは小学生にしか見えないこの男性です。

 

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小六搞野(シャオリョウ・ガオイエ)』という名前で動画配信をしています。

 

 

 

身長140センチにも満たない小学生のような外見ですが、実は30代の既婚者。生活圏は広西省の小さな村周辺の数十キロの範囲内。二人の子どもがいますが、自分の両親から離れて生活した経験はほとんどありません。

 

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中国にはいわゆる低身長症(小人症)の方が数百万人いると言われています。小六さんも他の低身長症の方と同じように、かなりご苦労されているようです。

 

 

 

子どもの頃には同級生からのいじめを経験。大人になってもエレベーターのボタンに手が届かない。バスに乗っていると押し倒される。タクシーを停めようとしても子供に見られて相手にされない、などなど。身長が低すぎて外に仕事に出ることもできず、借金して年を越すこともあったようです。

 

 

 

苦労人の小六さんは2018年より村の仲間と一緒に動画投稿を始めます。農村の美しい風景や農作業、果物の収穫、川での魚釣りを紹介するとあっというまに200万人のフォロワーを獲得します

 

 

 

そんなある日、大きなターニングポイントがやってきます。

 

 

 

同じ広西省の小さな村で大雨が続き、果樹園のキンカン10万トンが廃棄寸前というニュースが飛び込んできます。

 

 

 

小六さんは深夜にこのニュースを知り、自分の村から600キロもの距離を5時間かけて現場に駆けつけます。

 

 

 

現地に着いた彼らを迎えたのは道に捨てられてしまった山のようなキンカン

 

 

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腐り始めているキンカンを目にして心を痛めた彼は、自分と同じような配信者と協力して宣伝を始めます。生配信や動画投稿などを通して販売を始めたところ、あっという間に2000件以上の注文を獲得します。

 

 

 

しかし新たな問題が発生。これまでネット販売をしたことがなかった農家は販売ノウハウを持ち合わせていなかったのです。

 

 

 

そこで彼は巧妇9妹や乡野丫头などの大物配信者たちが協力して、個包装と配送用の発泡スチロールを用意し長距離配送に耐えられる体制を整えますします。それにかかった時間、わずか一日。

 

 

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村人総動員で包装と配送を行った結果、最後には市場の2倍の価格でキンカンを売り切ります。

 

 

 

こうして彼もまた貧乏脱出請負人としての道を歩み始めたのです。

 

 

今では中国各地の貧困地域の農産物をネットで販売しています。

 

  

幼いころからいじめられて育った小六さん。村の中でも最も貧しい暮らしで、娘の病気の治療費すらままならなかったそうですが、今や生活水準も大きく改善しています。

 

 

 

山や川で生き生きと動き回る小六さんの姿は、多くのネットユーザーにとって子どもの頃の楽しい思い出を彷彿とさせる魅力があるそうです。

 

 

 

動画のコメント欄では今でも「学校に行かなくていいの?」と書き込まれることもあります。

 

 

 

自分の年齢をあえて公表せず、子供のような存在としてふるまっている小六さん。

 

 

 

一生バカにされ貧しい生活を送ると思い込んでいた彼が、今や各地の貧しい村々を助ける存在にまで大きくなるとは夢のある話です。

 

 

 

皆様もよろしければ是非に。

 

 

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