ガラパゴスの蛙

ネットに漂うあれこれ

李子柒が中国農民豊作節PR大使の1人に任命される

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5月19日、李子柒が中国農民豊作節PR大使の1人に任命されたというニュースが中国ネット界で話題になりました。

彼女はこれまでにも文化大使などの肩書で活動してきましたが、今回は同じくPR大使に任命された方が国家レベルの英雄だったことから話題となっているようです。

注目を集めているのは同じくPR大使として招聘された袁隆平さん(写真左)ハイブリッド稲の開発で中国を飢餓から救ったとされる国家的英雄です。彼の研究はアフリカなど飢餓に苦しむ地域にまで広がっています。

この偉大な科学者(見た感じは普通のおじいちゃん)とネットインフルエンサーが”同じ枠”で扱われるとは何事だ!という論争も一部で起きているようです。

ネット上の批判の声に答える形で「李子柒与袁隆平“同框”有深意」と題する記事が、広州日報 劉深氏の署名入りで各種ニュースサイトに転載されています。

ちなみに中国の外では「李子柒がいよいよ政治的なプロパガンダに担ぎ出されるようになった」とする見方も出ています。今後の展開が気になるところです。

今回はこちらの記事を日本語に意訳します。

news.dayoo.com

「李子柒と袁隆平が”同じ枠”であることには深い意味がある」(2020/05/22)

最近、中国農民豊作組織指導委員会は”中国農民豊作節PR大使”を正式に設立し、袁隆平、申纪兰、冯巩、海霞、冯骥才、李子柒などの6名が最初の宣伝大使として招聘された。袁隆平と李子柒がホットワードとして共に検索され、ネットでは「”次元の壁”が破られた!」との声も上がっている。


しかしネットでは少なからず疑問を呈する声も上がっている。なぜネットインフルエンサーと袁隆平氏を同列で論じているのか?李子柒はただのグルメ配信の有名人にすぎない。彼女のショートビデオが描く農村風景はきれいで美しいが、本物の田園生活はこのようにさわやかで新鮮なものではない。


確かに李子柒の動画は中国農村の姿を部分的に示している煮すぎない。しかし彼女はカメラの照準を田畑に合わせ、”スローライフ”の美しさを記録し、休暇を取れずに”園田の居に帰れない”人々に別の形で体験をもたらしている。これは農業文化を広める1つの方法ではないだろうか?まして、李子柒はインターネットのショートビデオの方法で中華の優秀な伝統文化を海外に広める奇跡を創り出したのだ。彼女が加わることによって、中国農民豊収節にさらに多くの若者、ネットの要素が入ってくることは喜ぶべきことではないだろうか?


一部の人々の紋切り型の印象の中では、農村の環境は李子柒の動画が描くような詩の味わいはなく、農民の生活はあの情緒的な絵画のようなロマンもない。わざわざ自ら田舎に戻って農民になる人などいないとされている。しかし李子柒の生活と作品は生き生きかつ自然に中国伝統の農村文明の美しさを表現し、人々の偏見を打ち破っている。農民のありかたは必ずしも辛く疲れるものではなく、青春、活力、ロマン、詩の味わいを持つこともできるのだ。


事実上、李子柒と袁隆平が”同じ枠”でPR大使として招聘されたことは、農業の発展がジャンルを超えコラボレーションしていることを示している。現代農業の発展は豚を養殖し畑を耕すだけの簡単なものではない。農業には絶え間ない豊かさと拡大が内包されている。例えば、様々なレジャーとしての農業、アグリツーリズム、農村旅行などだ。李子柒が農民豊作節の宣伝対しを務めることは、わたしたち新しい職業農民にひとつの方向性をもたらすものになる。——農村の発展は”インターネット”とコラボし、”農”という文字を超えて現代の農業に”新たな空間”を開き、農民が人から羨ましがられる対面のある職業として、より多くの若者を新しい形の職業農民に引き寄せることが出来るのだ。


李子柒が”次元の壁”を打ち破って袁隆平と同じ枠に入ったことは信じられないことに思えるかもしれない。しかし農村は天地は広大であり、田を耕すだけにとどまらず、風にそよぐ麦のロマンもある。地面の上に帰り、わたしたちがこの種の”コラボ”から農村文化のかまどの煙の香りと人情味、田畑と田畑のあぜから収穫を得る大変さを読み解く、これはまさにPR大使が持つ意義である。

参考記事:

j.people.com.cn