ガラパゴスの蛙

ネットに漂うあれこれ

李子柒が自身について語る「どのように撮影を学んだのか」

引き続き李子柒が2017年5月13日に微博に投稿した内容を紹介します。

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今回は9枚ある画像の3枚目の内容です。

李子柒がどのように撮影を学んだのか。動画の完成度の高さには見えない場所で大変な苦労があること。具体例として「蘭州牛肉面」撮影時の舞台裏などが明かされていました。

後半の内容を理解するためにこちらの動画を復習しておくことをオススメします。

素人訳なので自己責任でご覧ください。

<画像3枚目の文章>

私が撮影について学んだことが無いことは先に話しました。カメラの基本的な機能さえも一眼レフを飼ってから説明書を読みながら一つひとつ学びました。グルメ動画を撮るとを決める前に、@密码大叔に勧められて「舌尖上的中国」を三話見ました。他の人がどうやって配置を決めるのか、構図はどうするのか。(当然ながら当時は”構図”のような専門的な言葉は知りませんでした。のちにネットで私を批判する人を見て覚えました)「舌尖」を三話見てから「清明菜」と「腌笃鲜」の動画を取り始めました。美拍に投稿したら密码大叔に間違いを指摘してもらいました。当たり前ですが、完敗でした。大叔は直接的に私の動画の問題を指摘してくれました。例えば配置の決め方、カメラ写り、編集のテンポ、BGMがマッチしているかなどです。いずれにしても問題だらけでした。

 

問題があれば改善するのみです!カメラのアングルからBGMの選び方や編集技法に至るまで。古くからフォローしてくれている人ならこの一年の明らかな変化に気付いているでしょう。初期の動画は全て”ディゾルブ(トランジション)”の効果に頼っていました。今では流れを作ってつなげています。初期のBGMは動画のリズムに合っていませんでしたが、今では一つの動画で一曲にしています。少しずつ改善しています。一部の人が対して専門的でない動画を「専門的」という原因はぴったりのBGMを選んでいるからだと思います。どうやって動画の終わりで音楽も終わらせると思いますか?

 

やはりこの言葉に尽きます。世の中にタダで良いものが手に入ることなんてありません!動画で使用する曲の70%は私が編集しています。よく知っている友人ならみんな知っています。私が以前に何をしていたでしょうか!「偽音楽人」の肩書で7,8年お金を稼いでいました。パソコンは全く知りませんでしたが、簡単な編集やトリミングは出来ます。動画とマッチするようにBGMは調整します。
(※「偽音楽人」とは恐らくクラブDJとして働いていた時期のこと)

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これが動画のBGMと原曲が少し違う理由です。このように数ヶ月の間、毎回動画を出すと密码大叔に問題点を見つけてもらい、少しずつ改善してきました。今では少しだけですが積み重ねてきた経験があります。私の動画は本当の業界人からすれば「廃品」のタグ位です。撮影方法、編集も全く「ゴミ」のようなものです。画面には動きがありませんし、撮影手法も単調で、太陽の光が強い時間帯は画面がぼんやりしてしまいます。色彩の調整には気が遠くなります。自分が映っているシーンはひどいありさまです……私自身がたくさんの欠点を挙げることができます。全部わかっています。でも解決のしようがないんです……今でもこうした問題は今でも存在しています。

 

こんなに不完全な動画でも、私は最大の技術と努力をもって撮影しています。去年の夏には頻繁にこんなコメントが見られました。
「髪を洗ってから撮影できないのか。髪が脂ぎっている。気持ち悪い!」
「何日髪を洗っていないんだ?」
四川の夏はとても日差しが強く、太陽が出てくると特にそうです。日差しだけでなく暑さにも泣かされます。収穫のシーンでは散々な有様です。出かける数分前に頭を洗ってメイクしても、太陽の下に出てしまえば三脚やカメラの位置を決める前に汗をかいてしまいます。撮影をはじめる前に、ネットで言われている髪を洗わない人になってしまうんです。彼らの言葉は認めざるを得ません。改めて以前の動画を再生してみると映っている人物は清潔には見えません。こんな感じです。

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今に至るまで解決方法は思いついていません。素材は撮らなければいけない。自分で三脚をかついで角度を調整して、自分で操作して、カメラに映る人が汚い、良いところが一つもないと言われてしまう。大きな太陽の下で何度もテストして、多くの人が3秒で撮り終わるシーンを2時間以上かけて撮っているんです。例を挙げます。

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以前の2本の動画の素材です。「桃花醉」の桃を選んだ後のシーンです。なぜこのシーンを何度も撮ったと思いますか?自分で撮っていると、撮っている時は自分では問題点が見えません。一つのシーンを撮り終わって再生している時にやっと問題が見つかります。これではもう遅いんです。撮り直すしかありません!!
自分がカメラに写っていなければ撮り直し!
位置が悪く構図が悪いと撮り直し!
立つ角度が悪くて見た目が悪いと撮り直し!
オートフォーカスしているときに動いてピンぼけして撮り直し!
表情が不自然で撮り直し!
髪が乱れて撮り直し!
服にシワが多くて撮り直し!
「桃花醉」の動画では、半分撮ったところで雨が降ってきたことを覚えています。降り始めは小雨なのでよかったのですが、化粧に問題が。それから雨が大きくなってきました。次の日は上海で(コスメブランドの)羽西一周年イベントに参加する予定だったので必ず撮り終える必要がありました。遅れればみんなに動画を見せられない。それで村長に布を持ってきてもらい、動画の後半は布でカメラを覆ってもらいながら撮影しました。雨に濡れながら撮影を終えました。最後には服も髪の毛も全部濡れていました。

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こんな環境でうまく撮れなかったシーンは一回一回撮り直し。問題が無いシーンが撮れたら素材として使います。いわゆる専門的なカメラ愛好家が「自分がやってもあんなふうにとれない。きっと嘘をついている。強力な撮影チームが撮影を手伝っているのに彼女はまだ認めようとしない…ゴミ宣伝アカウント…」と批判していますが。
…… ……
蘭州牛肉麺の動画は業界をよく知っている人ならご存知の通り、麺を伸ばすには技術が必要です。適当に自分で勉強して出来るようにはなりません。ラーメン店の店主が何ヶ月もかけて、何千元の学費を払って蘭州の学校で学ぶのはそのためです。それで最初は私もごくわずかな技術とごくわずかな牛肉麺の歴史しか知りませんでした。麺を伸ばす技術には負けてしまいました。でも友達が地元の牛肉麺店の甘粛出身の店主と知り合いだったんです。少しも躊躇せず向かいました。その店主は私の友人のメンツなど気にせず全く私を相手にしてくれませんでした。午前中ずっとしつこくせがんでもダメでした。最後に口から出た一言。「私の動画は1000万回も再生されるんですよ。私が蘭州牛肉麺を広めることができるんです!!!」

 

この言葉は自分でも大げさだと思いましたが、彼は受け入れてくれたんです!なんと教えてくれたんです!続く数日間の集中的な勉強で牛肉麵の様々な技法や実際のやり方を習いました。毎日麺を伸ばしていると腕が痛くなります。二日目には腕が上がらなくなります。完璧で均一な二细(麺の太さの種類)を伸ばせるようになってから動画撮影を始めました。

 

撮影を始めると麺伸ばしの勉強が一番大変なのではなく、本当の試練は始まったばかりだと気づきました。手には小麦粉と生地が付いています。カメラを操作するには手を洗わないとボタンを押せません。手を洗わないと三脚もカメラも触れません。粉がカメラに入ってしまうからです。麺伸ばしの動画でNGシーンも含めると200以上のシーンを撮りました。私が何回手を洗ったか大体わかるでしょう。

 

これでもまだ大変ではありません。以前に同じ粉モノの刀削麺を作った時に学んでいたからです。大変なのはこれからでした。

<次回に続く>

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