ガラパゴスの蛙

ネットに漂うあれこれ

滇西小哥 最新動画についての本人コメント【施甸臭豆豉】

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滇西小哥の動画が公開されました。

2020年12月9日の最新動画では施甸(シーディエン)で食される臭豆豉という食べ物を紹介しています。

麻袋に入れた大豆を藁で包む製法は納豆に通じるものを感じます。これはもしかすると雲南納豆と呼べるかもしれません。(もちろん向こうからすれば日本臭豆鼓になるでしょうけれど…

YouTubeでは本人コメントが公開されています。

素人訳なので自己責任でご覧ください。

 11月に入り、村では臭豆鼓づくりが始まりました。
今年は豆の出来があまり良くありませんでした。
半分を無視に食べられてしまいました。
収穫してよく選別しました。
家で何度か豆腐を作り、残り全部で臭豆鼓を作りました。

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腾冲に行った時に、竹編みのおばあちゃんからザルを2つ買いました。
ちょうど使いみちが出来ました。

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豆鼓
大豆をきれいに洗ってから、鍋で6時間煮ます。
つまむと潰れるぐらいの状態まで煮ます。

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熱いうちに布袋に入れ、さらに麻袋に入れます。
(それを)稲草の中に入れて四方を覆います。
続けて三日四夜発酵させます。

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発酵させていると台所全体に濃厚な臭い匂いがします……
臭みが抜けると、いやな匂いがなくなります。
これで豆の準備ができました。

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発酵させた豆には粘り気があります。
細い糸が出てきます。
匂いをかぐととても臭い。
麻袋を開くときに鼻をふさぎたくなります。
発酵させた豆は調味料と混ぜて食べます。
つぶして豆酱餅にもできます。

豆酱
生姜、撇菜根(雲南特有の根ニラ?)を細かく切ってつぶします。
そこに発酵させた豆を加えます。
さらに唐辛子粉、塩、花椒粉、草果粉を加えて力を入れてつぶします。

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これは力仕事です。
基本的に豆は全部つぶします。
調味料と豆がよく混ざればOKです。
つぶしたものを私たちは豆酱と呼んでいます。

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手で形を整えて丸くしたものを日干しします。

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ご飯を加えて豆酱おにぎりにもできます。
この味は施甸人の特別な味です〜

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水豆鼓

施甸の他の特色は水豆鼓です。
臭豆鼓を乾かしたあとに、アルコール度数の高い白酒と、塩、唐辛子粉、花椒粉、八角粉を混ぜます。
3倍の量のお湯を冷ましてから加えます。
最後に壺に入れ密閉保存します。

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私たちは1、2年に渡って食べます。
和え物なら何でも使えます。
白豆腐、唐辛子、たけのこ……

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他にもご飯がすすむのは油豆鼓です。
乾燥した豆鼓をきれいに洗ってから菜種油を混ぜます。

油豆鼓
鍋で20分蒸したら準備OK。
90℃ぐらいに熱した油にネギ、生姜、ニンニク、ローリエ、桂皮、草果、八角を揚げて香りを出します。

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熱した油で豆鼓、辣椒段(乾燥させた唐辛子を切ったもの)、花椒の実、唐辛子粉、ゴマ、砕いた落花生、塩、白砂糖、薄口しょうゆを炒めて香りを出し、鍋から取り出します。

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この油豆鼓で大盛りご飯を2杯食べられます。
さらに蒸した魚、蒸したスペアリブ、もしくは他の肉料理にも使えます。
独特の味わいがあります。

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水豆鼓炒芭蕉

雲南の臭豆鼓と一番合うのは野草です。
この季節の山にはないので、料理の周りにバナナの芯とバナナの花を添えます。

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バナナの花は真ん中の一番大きな花弁を取り出します。
熱湯で火を通してから一晩水に浸けます。
さらに何度も洗って苦味を取り除きます。

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唐辛子、トマト、細かくしたニンニクと豆鼓で炒めます。
爽やかな味です〜

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油豆鼓炒芭蕉

バナナの芯はバナナの木で最も柔らかい部分です。

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バナナの花の調理法と大体同じです。

煮て、水に浸け、洗う。

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油豆鼓とネギを加えて炒めます。

とってもいい香り〜

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豆醤舂豇豆
豆酱の一番簡単な食べ方は炭火焼きです。
ご飯と一緒に食べるか、細かく切ってラードと炒めます。
とてもご飯が進みます。

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調味料としても使えます。
つぶした材料と一緒にササゲ、唐辛子と一緒に火を通します。
塩、パクチーを加えて一緒につぶします〜
一口食べれば、すぐに空きになります…

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雲南で豆鼓は百以上の食べ方があります。
臭くていい香り。
一度食べると忘れられません……

匂いは臭くて食べると美味しいモノ、みなさんは食べたことありますか?

<記事の終わり>

今回登場した臭豆豉を含め、アジア各国には納豆のような食べ物が存在しているそうです。

世界の納豆を探求する高野秀行さんのご著書にも中国納豆の紹介があります。