『My Analog Journal』がロンドンのレコードショップを紹介する新シリーズを公開
世界中から集めたレコードの中から唯一無二のDJミックスを公開している『My Analog Journal』が新しい動画シリーズをスタートしました。
タイトルは「Record Shops Near Me」
第一回はイーストロンドンに位置する「Hidden Sounds」というお店。
カフェ&ワークスペース「Perican House」の店内から地下に降りるとレコードショップがあります。
オーナーはロンドンに集まる世界中の音楽と人々に惹かれて出店することにしたと語っています。
レコードを販売するに当たり、パリ在住のDJ・レコードコレクター・プライベートセラーからコレクションを提供を受けているそうです。
動画の中で紹介されているオーナーのお気に入りレコード5選はこちら。
Gallop - Lena Platonos(1985,2015 Reissue)
1951年生まれのギリシャのミュージシャン。
ピアノと電子音楽の作曲家。ギリシャのエレクトロ界の母とも評される。
激レア盤とされていた1985年のレコードのリイシュー。
Il nostro caro angelo - Lucio Battisti(1973)
1943年生まれのイタリア出身シンガーソングライター。
60年代と70年代に一斉を風靡した。
イタリアのセルジュ・ゲンズブール、イタリアのデヴィッド・ボウイとも評されるほどの大物歌手。
1998年に55歳の若さで亡くなっている。
Virgin Land - Airto Moreira(1974)
1941年生まれのブラジル出身パーカッショニスト。
15歳でキャリアをスタート。
渡米後はマイルスの「Bitches Brew」にも参加。
ウェイン・ショーター、ウェザー・リポート、チック・コリアなど、ジャズ界のそうそうたる面々と共演している。
オーナーのおすすめはこのアルバムの4曲目「Peasant dance」
(※以下リンクは4曲目から再生スタート)
One World - John Martyn(1977)
1948年生まれ イギリスのシンガーソングライター。
こちらのアルバムは実験的なサウンドと評され、ジャズやレゲエの影響も色濃い。
一部の曲は屋外で録音されたことでも知られている。
Inner Space - Sven Libaek(1973)
1973年にオーストラリアで放送された伝説の海中ドキュメンタリーシリーズのサウンドトラック。
世界的ダイバーがホオジロザメに迫る映像が当時人気だったそうです。
そのサントラ盤がメロウジャズの名盤として世界中で高く評価されているとか。
ぶっちゃけ全部知らない…
でもこうやってロンドンのレコ屋オーナーのおすすめをYouTubeで知れるのは本当にありがたいことです。
続いては『My Analog Journal』の配信者 Zag Erlatさんが今回のお店で購入したレコードの紹介なのですが…
驚くべきことに全部ジャパニーズ・シティポップなのです!!
ロンリー・ガール - 八神純子(1983)
う・わ・さ・に・な・り・た・い・ - EPO(1982)
残念ながらフルでは発見できず。こちらは収録曲の中でも未だに評価が高いそうです。
恋のスマッシュヒット - 八神純子(1983)
Coool - 杏里(1984)
トラブル・イン・パラダイス - 杏里(1986)
4×4 - CASIOPEA(1982)
Killing me - 中原理恵(1978)
AN INSATIABLE HIGH - 高中正義
以下はアルバムからタイトル曲。
彼がわざわざ来日してレコードを買い漁っているのは知っていましたが、ここでも登場するとは正直なところびっくりです。
ガラパゴスの蛙では今後も『My Analog Journal』に注目していきたいと思います。
『My Analog Journal』が日本の往年の刑事ドラマ主題歌をテーマにした選曲を公開
世界中のアナログレコードを使ってDJミックスを披露するYouTubeチャンネル『My Analog Journal』
今回は日本の往年の刑事ドラマ主題歌を中心にしたセットを公開しました。
「コーヒーブレイクセッションズ(CBS)」というシリーズ動画の中で、日本の映画・ドラマ主題歌のレコードの中からファンク要素を集めて選曲しています。
これがまあ素晴らしい!
松田優作主演映画から始まって太陽にほえろ!・西部警察・必殺仕置人。
そして最後は水谷豊ですよ!!!!!
絶対にドラマを見ているはずはないのに、こんな選曲できるのすごい。
耳馴染みのある曲ですが、改めて聞いてみると質の高い作曲と編曲だとわかります。
権利者に削除される前に皆様もよろしければ是非に。
選曲は以下の通り。
たかしまあきひこ– 野獣死すべし (Original Soundtrack) - ウォーリアーズ 1980
井上堯之バンド – 太陽にほえろ! - 太陽にほえろ!メインテーマ 1977 | 03:22
You & Explosion Band – The Great Chase - Theme From "The Great Chase" 1978 | 05:06
井上堯之バンド – 太陽にほえろ ! - ジーパン刑事のテーマ 1977 | 08:36
井上堯之バンド – 太陽にほえろ! 尾行のテーマ 1975 | 10:33
高橋達也 & 東京ユニオン – 西部警察 Part - Ⅱ - 軍団マーチ 1982 | 11:49
Mitsuo Hagita – 化石の荒野 - 爆撃機は消えた 1982 | 14:25
井上堯之バンド & フリー・ウェイズ – 太陽にほえろ!'80 - 井上堯之バンド - 行動のテーマ 1980 | 18:54
ホーネッツ – 西部警察 - 追跡のテーマ 1979 | 22:05
平尾昌晃* – 新・必殺仕置人 - あかね雲 1985 | 25:30
水谷 豊* – 熱中時代 - 僕の先生はフィーバー 1979 | 28:00
世界中のレアグルーヴ音源をDJミックスするYouTubeチャンネル『My Analog Journal』
高速インターネットが家庭に浸透するにつれて発展してきた音楽カルチャーの一つに“DJ配信”があります。著作権の問題をはらんでいるのであまり大きな声では言えませんが、2010年代を振り返ってみるとさまざまな配信プラットフォームから星の数ほどのDJミックスが放たれてきました。
その中でもUstreamで始まり今でもYouTubeで続いている、宇川直宏さん主催の『Dommune』が代表格と言えるのではないでしょうか。クラブミュージックは好きでも正直クラブカルチャーに疎い私にとっては新しい音楽と出会う機会になっています。
さてここからが本題。
YouTube上でDJプレイを配信しているのは何もお洒落な音楽サイトだけではありません。有名・無名のDJたちも趣向を凝らした選曲を披露しています。
最近注目しているYouTubeチャンネルは『My Analog Journal』。主催するのはイギリスのクリエイターチームに所属するZag Erlat さん。音楽活動だけでなく、映像作品や写真なども発表しています。
文字だけだと、クリエイターが片手間に趣味のDJを披露しているように聞こえるかもしれませんが、実は大間違い。この人のミックスは全てアナログレコード、かつ普段聞かない国々のレアグルーヴ音源で構成されています。
以下は公開されているミックスの一例。
『70年代トルコ産ファンク&アナトリアロック』
『ブラジリアンソウル,ファンク&ジャズ』
『アフリカンソウル,アフロビート,ファンク,クンビア』
言語が全く分からないにもかかわらず素晴らしいアナログ音源の選曲が披露されています。(私が知らないだけで有名曲なのかも)
さて、何気なくYouTubeチャンネルに貼られていたInstagramのリンクを開いてみると意外な事実が発覚。
なんとZag Erlatさん昨年8月に来日してアナログレコード漁っているじゃないですか!
来日中は東京でかなりアナログレコードを仕入れたようですが、ミックスをアップロードする段階でYouTubeに弾かれてしまったようです。著作権の問題が関係しているよう。残念なことに日本語DJミックスは今回は除外せざるを得ないとコメントしています。
期待していただけにがっかりしていたら2019年に入ってからこんな投稿が。
日本のシティポップ&ジャズファンクのDJミックス、カミングスーンのお知らせです!
近年の世界的なシティポップブームはYouTubeにある音源が震源地であることは良く知られていますが、実際に日本まで足を運んで音源を仕入れたDJがどんな選曲を披露してくれるのか非常に楽しみですね。
ミックスが公開されるまでは『My Analog Journal』のSpotifyプレイリストを聞いて待ちたいと思います。
皆様もよろしければ是非に。
音楽好きのための海外ラジオ:Jazzanova Radio - Kaleidoskop
Radikoの普及で日本でもラジオの役割が再評価され始めています。
雑誌TVBros.やケトルのラジオ特集では、カルチャーの側面から切り込んだ面白い特集が組まれています。
とはいえ、様々な権利関係の都合で全ての番組が聞けるわけではありません。
トーク番組がお好きな方ならまだしも、コアな音楽ファンを満足させるものとなると日本ではなかなか見つけづらいですね。
そこでおススメしたいのは、海外のラジオ局で放送されている番組です。
昔なら存在すら知ることのできなかった有名DJの音楽番組の数々が、インターネットでストリーミングされているのです。
海外でも著作権の問題がありますから、放送後期間限定配信を取っている局が多いですね。
今日はその中からドイツのラジオ局「radioeins」の音楽番組を紹介したいと思います。
Jazzanova Radio - Kaleidoscope
DJ: Matthias Hellwig, Alexander Barc
放送時間: 毎週土曜 21:00-23:00(ドイツ現地時間)
※放送終了後一週間の限定配信
公式サイトの番組紹介にはこんな感じのことが書いてあります。
こどものおもちゃ「カレイドスコープ」から取られた番組名。覗き込むたびに景色が変わる万華鏡のように、この番組でかかる音楽も聞いているあなたの居る場所、その環境によって大きく変わるはず。
二人のプレゼンターがお届けする音楽はクラブからの物語・驚き・喜びそして様々な音楽の魅力を届けてくれるでしょう。
「Jazzanova Radio」という番組名のとおり、ドイツのジャズDJ・プロデューサー集団 Jazzanovaからアレクサンダー・バーグが参加しています。
Jazzanovaといえば、90年代後半のNu Jazzムーブメントの第一人者です。ジャズをもとにしてファンクやヒップホップ、ソウルミュージックとエレクトロがブレンドされたジャンルです。
2000年代に入ってからはジャズの名門ブルーノート・レコード公認のミックスCDを出したことで覚えている方もいらっしゃるかと。
この経歴からもお分かりの通り、「Kaleidoscope」はジャズに主軸を置きながらも世界中の新譜をかけていくスタイルのラジオ番組です。
二人のDJが前半・後半に分かれて一時間ずつMixを披露していきます。
番組プレイリストは放送終了後に公式サイトに掲載されます。
しゃべりはドイツ語なので全く理解できませんが、プレイされる曲は最先端なので全く気になりませんね。
皆様もよろしければ是非に。
Jazzanova 2018年にリリースされたアルバムはこちら。
THE POOL[帯・ボーナストラックDLコード・日本語解説付国内仕様盤]
- アーティスト: JAZZANOVA
- 出版社/メーカー: SONAR KOLLEKTIV
- 発売日: 2018/06/20
- メディア: CD
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ブルーノート・レコードの音源をミックスしたコンピレーションアルバム。一時期、ヴィレッジヴァンガードでも並んでいましたね。
気になるインド映画「Gully Boy」ムンバイのスラム出身ラッパーの物語
せっかくSpotifyに課金してるんだからたまにはインド音楽でも聞きたいなーと、インドのヒットチャートを調べていたら見つけてしまいました。
奥さん、ムンバイのスラムから成りあがるラッパーの物語ですって!
面白くないわけがないじゃないですか。
ラッパーの映画と言えばエミネム主演の名作「8mile」や、メンフィスのドラッグディーラーにしてピンプの男が主役の「ハッスル&フロウ」などが思い出されます。
でもインドですよ。ラストベルトの衰退ぶりとはわけが違う。
文化的・宗教的・言語的な多様性を考えると相当面白くなっているに違いない。
そんな直観のもとに、映画「Gully Boy」について色々と調べてみました。
作品情報
Gully Boy (インド公開 2019年2月14日 上映時間:2時33分 言語:ヒンディー語)
監督:Zoya Akhtar
1972年 ムンバイ生まれの女性映画監督。詩人の父と脚本家の母の間に生まれ、弟も映画監督俳優として活躍する才能に恵まれた家庭に生まれ育つ。祖母はウルドゥー語の著名な詩人。
ニューヨーク大学で映画製作を学んだ後、ミュージックビデオの制作などを経て今に至ります。
監督作を見ると、2019年には本作だけでなくNetflixやAmazonプライム限定映画も制作しているようです。
主演俳優:Ranveer Singh
1985年 ムンバイ生まれの俳優。子どものころから俳優になることが夢だったようです。
しかし大学時代は作家としての創作活動に励んでいたそう。アートの学位を取ってインドに帰国したのち、2010年からオーディションを受けるようになり俳優としての活動をスタートさせました。
映画だけでなくCMにも出演しています。
主演女優:Alia Bhatt
1993年生まれ インド系イギリス人の女優。インド映画界で最もギャラの高いアクターの一人。2014年にはフォーブス・インディアのセレブリティ100人にノミネート。2017年のフォーブス・アジアではアンダー30に名前が挙げられています。
映画監督の父と女優の母を持ち、1999年から子役として活躍していたそうです。2012年のティーン向けドラマ「Student of the Year」で初主演。
自身のファッションブランドを立ち上げ、歌手としても積極的に活動。
正真正銘のスーパースターです。
あらすじ
主人公はムンバイのゲットー出身の22歳のムスリムの若者。ラップへの情熱、恋愛、そして夢を追いかける姿が描かれます。
大学生のムラドは人口密度の高いムンバイのスラムで暮らしています。
ガールフレンドのサフィーナは医学生。極端に宗教面で保守的な家庭に育った背景を持っています。
普通の仕事をして伝統的な生活を送るように、また身分の合わないサフィーナと別れるよう願う父に反抗するムラド。
暴力事件やドラッグディーラー、自動車泥棒に巻き込まれながらも、フリースタイルバトルで勝ち上がり、ラッパーとして名を挙げるお話です。
注目ポイント
とにかく、予告編でのヒンディー語ラップの熱量が半端ないです。
Spotifyには既にサントラのプレイリストもあります。
そして主人公のカップルがムスリムという設定も個人的にはグッときます。
英語で本作のレビューを調べるとすこぶる高評価。期待できます。
インド版GQには映画の主人公同様にムンバイ出身のラッパーのインタビューも掲載されています。
日本ではフリースタイルダンジョンの影響力は絶大ですが、世界各地で今やメインストリームになったヒップホップとラップミュージックが、どのように土着化していくのかを体感するうえでも重要な映画となりそうです。
本邦公開のあかつきには、アト6宇多丸師匠のレビュー・いとうせいこうさんのパンフレット解説は間違いないでしょ!
皆様もよろしければ是非に。
≪追記≫
Vice Asiaがムンバイのラップシーンについて、30分のドキュメンタリーを公開しています。映画の背景を知るうえで役に立ちそうです。
っていうかVice、控えめに言ってもいい仕事しすぎ!
ユリイカ 2018年6月号 特集=『バーフバリ』の世界 ―インド映画と神話の豊穣―
- 作者: S・S・ラージャマウリ,松岡環,江戸木純,金田淳子,藤村シシン
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2018/05/28
- メディア: ムック
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ユーミンをサンプリングした洋楽3曲
今日は会社からの帰宅中、9th Wonderの2016年のアルバム 「ZION」を聞いていました。
未完成またはアイデアにすぎないトラックが収録されています。曲と曲のつなぎ目もかなり唐突。
このアルバムを電車の中で半分眠りながら聞いていたのですが、急に日本人女性の歌声が聞こえて目が覚めました。
夜明けの雨はミルク色~♬ って誰よこれ?
まさかとは思いましたが、さらに深堀してみると出てくるではないですか!
というわけでここからが今日の本題。
ユーミンがサンプリングされている洋楽、今のところ発見できている3曲です。
1. Season Courage - 9th Wonder (2016)
1973年に発売された1stアルバム「ひこうき雲」に収録されている「雨の街を」をサンプリングしています。
あたりまえですが、ユーミンが若い!
この曲が 9th Wonderの手にかかると。。。
イントロのピアノの旋律をループさせるだけでここまで印象的なトラックができるとは。正直いって目から鱗です。最後にワンフレーズだけ歌声を入れるところが憎い。
このトラックにラップがのると、あっという間にメロウなヒップホップの完成です。
2. Cure - Papoose feat. Erykah Badu (2013)
まずはユーミンの1975年に発売された3rdアルバム「COBALT HOUR」の収録曲「雨のステイション」をお聞きください。
ニューヨーク出身のラッパー・パプースがエリカ・バドゥをフィーチャーした曲のトラックでサンプリングされています。
これは言わなければ気づかないレベル。でも原型がしっかり残っていますね。
3. Concentration - Quannum MC's feat. Jurassic 5 (1999)
元ネタは1974年発売の2ndアルバム「MISSLIM」収録曲の「あなただけのもの」。
このアルバムには山下達郎・吉田美奈子・矢野顕子・細野晴臣など、そうそうたる面々が参加しているようです。
荒井由実 (Yumi Arai) - あなただけのもの (Anata dake no mono) от Sonate64 на Rutube.
もうすでにトラックのベースラインがかっこいい。これにラップが加わると、ほとんどいじっていないのに全くの別物に大変身。
DJ Shadow率いるQuannum Projectの曲です。
もはやクールなブレイクビーツでしかない!
もしかするとこの曲がきっかけで、USヒップホップのプロデューサーが荒井由実音源を掘るようになったのでしょうか。
確かなことはわかりませんが、腕利きのトラックメーカーのインプットの幅は私たち凡人の想像をはるかに超えていることは理解できました。
ちなみに、サンプリングのネタ元を知りたいときはこのサイトを調べると意外な発見ができます。
皆様もよろしければ是非に。
今注目してる人:切腹ピストルズ(2019/02/08)
地方都市に住んでいる若者にとって、一年のうち一番の晴れ舞台は祭りの時です。
私の一族もご多分に漏れず男子はみんなお祭り男。
昔は父の実家(本家)も祭りの時期になると酔った青年団のメンバーで飲めや歌えやの大騒ぎ。
幼いころから横笛と太鼓の音が体に染みついているわけです。
もちろん、文系の私は全くこの手の祭りには関与していないのですが、音を聞くと自然とテンションが上がってしまうところに、血は争えないものだと妙に納得してしまいます。
さて本題。
この太鼓のお囃子を世界に発信する集団をご存知でしょうか。
偶然YouTubeで発見して衝撃をうけた集団「切腹ピストルズ」。
野良着で太鼓を打ち鳴らす力強い鼓動。横笛の旋律。三味線の音色。
血が騒ぐ!!!!!!!!!!
ニューヨークでのパフォーマンスではモッシュが始まるのではないかというぐらいの盛り上がり様。
「故きを温ねて新しきを知る」とはよく言ったものですが、ここまで私のDNAに訴えかける音楽は初めてです。
皆様、もしよろしければ是非に。
今注目してる人:ローラ・ミッシュ(2019/1/21)
トム・ミッシュがインタビュー記事で"音楽好きの姉"の影響について語っていたことは以前にも書きました。
それでふと思い立ち、Googleで「トム・ミッシュ 姉」と検索すると何と!
というわけで、姉 ローラさんもミュージシャンだったわけです。
独特な機材の使い方をすることから”DIYアーティスト”とも呼ばれています。
色々調べてみると数は少ないですが、音楽的な背景を語っているインタビュー記事が見つかりました。
メモとして少しだけ意訳を残しておきます。
どんなきっかけで音楽にかかわるようになりましたか?
父を通して幼いころからヴァイオリンを始めて、スズキメソードで耳の訓練を始めたんです。
((*スズキメソードとは日本のヴァイオリニスト 鈴木鎮一が開発した音楽教育法。幼児が母語を学ぶのと同じように、子どもが幼い時に良い音楽環境を与えることで耳から教えることを推奨している)
あなたのパフォーマンスを初めてみた人は、そのスタイルについてどんな風に言っていますか?
うーん。今のところ、毎回セットは違いますからね。(フルバンド・ソロ・アコースティック・エレクトロ・bvs)。2016年9月に最初のギグだったから、まだ新人だし、今もずっといろいろな演出方法を試しています。でも共通点は、アルトサックスを吹いて、歌って、たくさんのループとビートを刻んで、観客の体を動かすようにすること。
いろいろなアーティストがジャズというジャンルを自分のものにしています。例えばMasegoはトラップジャズを制作していますよね。あなたはジャズに何をもたらしたいと思いますか?
私はジャズと融合することにはあんまり興味はないですね。
ジャズのスタイルはクールですけど、むしろサックスは音を造り出すために使っています。サックスを音の乗り物として操作することに興味があります。ペダルとハーモナイザーでループを造っている時に興奮しますね。ちょうどサックスの起源のような、エイリアンのような音です。
どのミュージシャンを憧れていますか?(過去or現在)
憧れなんてこっけいなもので、それは本当にはかないものです。誰かの音楽が好きだ!と言ったすぐ後に次の音楽が好きになっているものです。今のところ、私が最も憧れるミュージシャンは、周りにいる自分の知っている人たちとその作品ですね。Carmody・Tom・Ben Hyers・私たちがやっているポッドキャストのガールズ"Time of The Month" (Carmody,Emmavie,Marie Dahlstrom,Ruby Wood of Submotion orchestra)彼らは尊敬しつつ見たり聞いたりしてる。ある時は私も彼らの捜索の一部に加わるし。インデペンデントのアーティストとしてやっていくのは本当に大変だけど、彼らの創作への決意には敬服しますよ。最新のアーティストや一般的な音楽シーンについていくのは得意ではないですね。だから私が全体を把握している人たちに憧れていますね。
あなたとトムは極めて才能に恵まれていますよね。これは聞かなければなりませんが、あなたの家族はどんな感じなんですか?その素晴らしい才能のために、何か魔法のようなものをご両親は使われたんですか?
ハハ、ノーノ―。才能って面白いですよね。だってこんなにたくさんあるんだから、特にサウスロンドンではね。もしかすると、才能はもっと集合的・環境的なもので、みんなが考えるのとは違うのかもね。人々が触れることのできるシーンやモノみたいな。両親はクリエイティヴィティを発揮するように促してくれましたね。ある時は厳しい意見もくれます。ゴミみたいなものって言われることも恐れなくなりましたし、面の皮は厚くなりましたね。
かなり適当な訳ですが、ミッシュ家の音楽的背景が少し垣間見えるインタビューでした。
ちなみにミッシュ家は三人の子どもがいて、もう一人は女優として活動するポリー・ミッシュ。トムのMVにも出演しています。
ちなみにこのビデオのメークアップ担当は母 キャロルだそうで。
これから才能豊かなミレニアル世代のアーティストが世界中で見られそうですね。